平成28年4月9日
第37回東日本音声外科研究会にて、松山会長が銀鈴会の紹介をしました。
(公社)銀鈴会の紹介
今日は我々の活動をご案内させていただく機会をいただき、ありがとうございます。限られた時間ですのでお手元の資料に基づき簡単に銀鈴会を紹介させていただきます。
銀鈴会は喉頭癌、下咽頭癌、食道癌、甲状腺癌などの頭頸部の癌で喉頭を失った人達に対し、代用音声を発声指導するボランティア団体です。また気管孔呼吸等の後遺症ケアについての情報交換や発声障害者の親睦の場でもあります。
銀鈴会は創立が1954年ですので今年が62年目になります。慶応大学病院の林先生と東京大学病院の高藤先生の助言で初代会長の重原会長によって設立されました。現在は廣瀬先生、福田先生をはじめ多くの顧問の先生方からご指導をいただいております。
銀鈴会は東京の団体ですが銀鈴会と同様の団体が全国に58団体約6100名が日本喉摘者団体連合会(日喉連)を結成し、東南アジアの14ヶ国で喉摘者団体アジア連盟を結成して、それぞれの地域の発声訓練に取り組んでいます。
これらの団体では先輩喉摘者が後輩喉摘者を自らの体験を元に指導し、指導員は無報酬のボランティアです。全国の発声指導員680人が日喉連認定発声訓練士の資格をもち、全国153か所の教室で発声指導を行っています。
喉摘者の発声には食道発声、電気式人工喉頭発声(EL)、シャントによる発声の3つの方法がありますが銀鈴会ではこれら3つの発声教室を開いています。それぞれの発声の説明は省きますが、それぞれ長所、短所がありますのでの自分の生活状況に合った発声法を選択して練習することになります。銀鈴会では術後の喉摘者にこの3方式の発声教室を実際に見てもらった上で本人の事情を考慮して発声方式を決めてもらっています。
病院によっては先生方の意向ないし判断で発声法が決まってしまうケースもあるようですが、われわれの経験からすれば、基本的には年齢、健康状態、仕事の有無(復職の希望の有無)、経済状況、生活状況などによって選択が大きく違って来ますので先ずは喉摘手術を受けた方に銀鈴会に来ていただき、実際に訓練の場を見学し、自分に合った方法を確認した上で発声法を選択するのが良いと考えています。
現在銀鈴会の会員は約1000人で毎回150人くらいの人が練習に通って来ています。そのうち食道発声が115人前後(担当の指導員は30名)、EL発声が20人(指導員6名)、シャント発声が15人(指導員3名:ほかにST1名)くらいです。銀鈴会の指導員は全部で40人です。
銀鈴会の教室は港区三田の東京都障害者福祉会館で春休み、夏休み、冬休み以外は基本的には火曜日、木曜日、土曜日の毎週3日間午後1時から2時半まで行っています。先生方にも是非一度見ていただきたいと思います。尚、別紙に東日本ブロックの喉摘者団体の連絡先を添えておきましたので併せて参考にしていただければと思います。
我々の団体も医師の先生方もこの60年の間に世代交代が進み、医師と喉摘者団体との連携が希薄になって来たような気がしています。これを機会に再度連携を深めることが出来ればと願っています。本日ご出席の先生方からも「是非一度、銀鈴会に行ってみなさい」とお勧め下されば大変有難いです。宜しくお願い致します。
本日は有難うございました。
第37回東日本音声外科研究会
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開会の辞: 第37回会長 折舘 伸彦(横浜市立大学医学部) 13:00-13:05
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Ⅰ. 一般演題① (6題)
座長:佐野 大佑(横浜市立大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
1.「診断および治療に難渋している声門上狭窄の一例」
日本大学病院耳鼻咽喉科 浅居僚平
2.「診断と治療に苦慮した声門下狭窄の一例」
防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座 高橋洋一郎
3.「輪状披裂関節固着を伴う反回神経麻痺患者に対する音声機能改善術」
東京女子医科大学八千代医療センター耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科 三枝英人
4.「痙攣性発声障害例に対する声帯内筋切除術と甲状軟骨形成術II型の手術効果の傾向と問題点」
厚生中央病院耳鼻咽喉科 許斐氏元
5.「甲状軟骨形成術Ⅱ型専用スプレッダーの有効性の検討と改良版スプレッダーの使用経験」
東邦大学医療センター大森病院 耳鼻咽喉科 松島康二
6.「銀鈴会からのご案内」
公益社団法人銀鈴会会長 松山雅則
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休息
14:25-14:40
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Ⅱ.製品説明 (15分)
耳鼻咽喉科領域におけるジェニナックの有用性
大正富山医薬品株式会社
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Ⅲ.一般演題② (5題)
座長:座長:田口 享秀(みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科)
7.「音声外科におけるSSI」
横浜市立大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 千葉欣大
8.「転倒で生じた喉頭外傷の1例」
国立国際医療研究センター 後期研修医,耳鼻いんこう科 小林 雅和
9.「嘔吐後に発症した声門前部橋状癒着症例」
東京大学医学部耳鼻咽喉科 佐藤 拓
10.「気管切開を回避しえた巨大ポリープ様声帯の1例」
福島県立医科大学 医学部 耳鼻咽喉科 川瀬友貴
11.「気管切開孔縮小術の試み」
西山耳鼻咽喉科医院 西山耕一郎
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Ⅲ.特別講演 座長 折舘 伸彦 (横浜市立大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
『当科で行う嚥下障害への手術治療』
聖隷佐倉市民病院 耳鼻咽喉科 摂食嚥下センター長兼部長 津田豪太先生
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次期会長挨拶及び閉会の辞 渡邊 昭仁(恵佑会札幌病院)
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意見交換会 17:20-
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