AFLA インド・ニューデリー&ジャイプール食道発声研修会の実施報告
平成27年10月1日~9日、北インド・ニューデリーとジャイプールの2か所にて食道発声研修会を実施した。
1. ニューデリー研修
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開催期間 平成27年10月2日~3日
実施場所 インド・ニューデリー市内
会 場 Geeta Bhawan Mandir 1階研修室
研修目的 食道発声指導と指導員の養成
参 加 者
派遣講師 AFLA 会長 松山雅則
専 務 太田時夫
監 事 齊藤康夫
指導員 中村マリ子
喉摘会 プレマナンド会長
医 師 Dr.アブロール
指導員 10名
通 訳 4名
会 員 延べ 48名 同伴家族延べ36名
◆ニュデリーの状況
ニューデリーは、昭和59年AFLA結成当初からのメンバー国で会員数も2300名と多く指導員も熟練してレベルが高かった。
◆研修内容
研修会初日は、参加者を個別に面接
A・・・全く声が出ない2名、原音がたまに出る2名、原音が出る2名、2音が出る1名、EL使用者3名
(齊藤、中村 担当)
B・・・2~3音レベル6名(太田担当)
C・・・4~5音レベル2名、上級・指導員レベル7名、シャント1名(松山担当)
日程の関係で、ニューデリー2日間となったが全く声が出なかった会員も1~2音出るようになり、やっと原音が出るレベルだった会員も3~5音まで出せるようになっていた。
主治医から食道発声は身体に負担が大きいから好ましくないと言われ、ELを使っている会員もいた。
2.ジャイプール研修
開催期間 平成27年10月6日~7日
実施場所 インド、ジャイプール市内
会 場 S.M.S. Medical College & Attached Hospitals
研修目的 食道発声指導と指導員養成
参 加 者
派遣講師 松山雅則、太田時夫、齊藤康夫、中村マリ子
喉 摘 会 ニューデリー会長プレマナンド 他2名
医 師 Dr.RajSharma Gauind
ジャイプール医師及び言語聴覚士7名
通 訳 4名
会 員 延べ34名 同伴家族 延べ40名
◆ジャイプールの現状
ニューデリーから500キロ離れており、喉摘者はレベルの高いニューデリーの教室には通えない為、喉摘協会も指導員もおらず、まったく発声の術を知らない地であった。集まった会員の全てが食道発声法がある事すら知らなかった。シャント手術を受けたが気管孔を塞いで発声をするということを知らず、高額の手術を受けさえすれば声が出ると思っていた人もいた。また、プロテクターで気管孔をカバーしなければならないことも知らなかった。
2日間の研修で全員発声に成功し中には2~4音の発声可能な会員もいたが、短い期間に多くを得る事が難しく簡単な単語が言えるようになるには、あと数日が必要で、再度の研修の必要を強く思った。
病院では再建の手術も行っているとの事であったが、参加者の中には居なかった。
参加者の年代は、30歳台-2名、40歳台-2名、50歳台-6名、60歳台-8名、70歳台-2名、他数名が不明。
◆総括
インドは広大で、首都ニューデリーには会員も多く喉摘協会も確立しているが、今回のジャイプールのように全く発声の術を知らない地域もまだまだある。
交通手段がほぼ車だけで数百キロ以上離れた教室に通う事はかなわず、このことはインドに限らず今後も各国共通の課題になる。